〈ケア〉を考える会 第100回に寄せて

             奥西 春美                  



 私が初めて参加したのは、2012年の7月(第82回)でした。HPを見つけて、開催前日ぐらいに参加のメールをすると、遠慮なくどうぞとあたたかい返信をもらいました。二条の駅から場所がわからず、だいぶん迷った末に到着。そしてその日は林さんと飯田さんと3人での濃厚なアットホームな会となりました。

 林さん宅は民族音楽のようなBGMが流れ、垂涎ものの本の数々、そして美味しい手料理にお酒。とても居心地が良く、何より林さんと飯田さんのお人柄に癒され、すっかり魅了されました。素敵な隠れ家を見つけた!とニンマリしながら帰宅したのを覚えています。山科に会場が変わっても、居心地の良さは変わらず、毎回なんだか親戚の家に行くみたいな心持ちです。

 

 いつも林さんが静かに言葉を紡ぐところから場が開かれ、ゆったりとした時間の中で、本との対話、集う人との対話、自分との対話で、気づきや、もやもや、まだ言語化できない何かしらが湧いてきます。そのとき、参加者それぞれが学びの主体としてその場にいることが尊重される。そして自分の中でゆっくりと目には見えないけれど、化学変化がおきていく。その余韻にひたりながらの懇親会。それぞれの現場での奮闘ぶりを共有し、そこで得たエネルギーでまた翌日から自分の現場に向かう。何かやってみようと思うには、背中を押してもらうことも必要だし、倒れたときの支えも必要。ケアを考える会はその両者を兼ね備えている場だと感じます。

 

 林さんはいつも「僕は弱い人間だから」といいます。弱いからつながるし、人の助けを求める。弱さが人とのつながりの原動力になっていて、その原動力のおかげでケアを考える会も生まれ、100回を迎え、それを一緒に迎えることのできる喜び。弱さという最強の強みを持たれていることに感謝です。